独特の色彩感覚の絵画で知られるアーティストの流 麻二果は、奇しくも伝統色のアーカイブに尽力した和田 三造の親族にあたります。この二人を繋ぐ90余年の間、伝統色の今について見つめ直す機会はほとんど設けられませんでした。

世界中で情報が共有され、色についての個性が見えづらくなった現代においても、その土壌や気候でしか見えない色があり、色を捉える感覚には個性がある。そのことを、多様な方々のインタビューやリサーチ活動を通して探求し、「日本の色」＝ 伝統色を現代にアップデートする。これがこのサイトの目的です。

中川色彩研究室は、30年に及ぶ色彩研究を経て、NOCSという新たなカラーシステムを開発して参りました。数値だけでは表現できない、感性に基づいた色についての視点をアーカイブすることで、より厚みのある、日本独自の色彩の表現を目指します。
より多くの方々と今の日本の色について考え、今の日本について俯瞰的に見つめようとする。ひいてはそれが、未来の日本の姿をよりよくすることに繋がると私たちは信じております。